今回は少々予定を変更して、【DIDの人たちって、どうやって情報共有しているの?】についてご説明します(あくまで個人のやり方であって、他にもやり方はたくさんあると思います)。
はじめに、ここで使用している「ほずみ」という名称は僕たちのハンドルネーム(八月朔日 白/ほずみ つくも)であることを明言しておきます。つまり、ユキやキョウなど全員を含めて「ほずみ」という単語を使用しています。
以下は僕たちの共有方法(TRPGで遊ぶ際の注意点も若干含めています)です。
ほずみ式共有メモ作成方法
※あくまで現在のほずみ式であって、どういう形が最善なのかは模索を続けているので、未来でやり方が変更されている可能性があります。
ご了承ください。
【前提】
・プライバシーとか関係ない!まずは「共有できること」が大事。
・「一人として生きる」ように見せる上で伝えなければいけないこと、伝えるべきことなど細かいことは考えない。
・共有メモはその場で適宜更新していくのが重要と考えている。
・「誰が何をするかわからない」ということは頭に残しておくこと。
※これは信用や信頼とは別件で、パニックになったり気まぐれなどが発生すること、ヒューマンエラーが起こりうることを想定している。
【目次】
①Twitter、Discordは既読かもしれないので全て遡及する
・個人専用のチャンネルやアカウント以外は、自分が見ていないところから全部遡る。自分のアカウントのみで構わないので、とにかく自分の発言だけでも全部遡る。
プライバシーは考えない!
他人格の共有できないものが多く生まれてしまうので、自分の発言だけでも見返す。そこでわからないものがあれば、TLで話していたであろう人のアカウントも遡って会話の流れを把握する。
Discordは発言が消えている可能性もあるので、違和感があるときは相手に聞いてみる(「そういえばここの発言消しちゃったから確認したいんだけど〜…」みたいな感じで軽く確認する感じ)。
・気になる発言や重要に思う発言があればスクリーンショットなどで残し、専用のフォルダに入れる(+共有メモに画像として添付もする)。
②紙でも共有を残しておく
・特に重要なものは紙媒体でも残す。筆跡で誰が書いたかもわかり、かつ消しゴムでも消せないようにボールペンなどで書いておく。
書いたものは全員が絶対に見る場所に掲示する(ほずみ宅はホワイドボードに張り付けたうえで「紙あり」を電子共有メモに残している)。
・もしも紙がなくなっていた場合は、誰のせいかを特定する。
誰が最後に起きていたのかの確認のためにも適宜共有メモを更新していくことが必要になってくる
(最近は起きたらディスコードに名前を書くなどして、誰が何時頃起きていたか、眠っていたか起きていたかなどを確認するようにしている)。
③電子媒体での共有メモ
・前提として、Googleドキュメントを使用(複数デバイスからアクセスできるので便利)。
なぜGoogleドキュメントかというと、寝落ちや急な交代が起こった場合でも自動保存してくれる+「ファイル→変更履歴→変更履歴を表示」から、自動で保存された“前のバージョン”の共有メモを見ることが出来る(=第三者が勝手に書き換えていないかの確認が出来る)ため。
・共有メモは適宜更新する。
これは書き忘れを防ぐためと、詳細に書くべきことがあった場合は“誰が読んでも分かるように”を意識して書くため。後から追加で思い出して書くこともある。
※適宜更新するためにも複数デバイスでアクセスできるGoogleドキュメントが便利。その場その場で打ち込むことが出来るため。
※一応、念のため、「オフラインでの編集を可能にする」設定もしておくといいかもしれない。
・Twitter(DM)やDiscordで誰かとやり取りした場合は、「誰(どのアカウント)と」「どのような話を」「何時頃」「誰がした」かを記載しておく。これは既読の把握漏れ、返信忘れなどを防ぐため。
※①で書いたように遡及もするけれど、念には念を入れておく。
④音声は録音しておく
・病院でのやり取りなど直接人と話す場合や、誰かと通話をするときなどは、録音をするか、適宜共有メモの文面を追加しながら行う。
相手によっては不快に思われる場合もあるので、こっそりやろう。
※うちの病院の先生はメチャクチャ録音されるのが嫌いなのでしれっと録音しています。
・録音をもとに共有メモを作成・追記・変更などする。文面で残す方がわかりやすい場合もあり、自分の解釈で捕捉を入れることも出来るため。
ただし、録音データはわかりやすいタイトルを付けたうえで、消さないようにしておくこと。
消えていた場合は誰が消したのか特定できるよう、上記に記載した方法で確認と、消したかどうかの確認も行う(知らない人間が介入している場合もあるため)。
・録音データを文面化するのは面倒なため、音声を文章化(テキスト化)してくれるアプリなどを使用して、議事録のように残しておくのも手。
これは別途資料として、共有メモにリンクで張り付けると便利かもしれない。
このファイルもGoogleドキュメントなど、変更したことがわかる媒体に保存しておくことがお勧め。
⑤共有メモは複数作成してリンクで繋げる
・ほずみは「その日起こったことの共有用」「短期的共有用」「中・長期的共有用」「重要事項(依頼や金銭関係など)」でメモを分けて、リンクで繋げておく(面倒な時はそれぞれ見ておいて!ヨロシク!で終わらせる時も多々ある)。
※この分別はその日その時でやらなくてもOK。
というかそもそも、それぞれがきちんと把握できるならやらなくてもOKかもしれない(が、分けておくことは推奨しておく)。
・依頼など重要なものは絶対に消えないように紙でも保存して、かつ自分が消せない場所(例えば信用できる人とのDiscordサーバーを立ててもらい、権限変更で自分の発言を消せないようにしてもらうなど)にも保存する。
※「どこに書き残したかわからない、どういった発言があってどう会話したのかがわからない」を防ぐため。
⑥おまけ(これはやっているときとやっていない時がある)
・Twitter風SNS画面作成アプリ(チャットアプリ)を使用して、簡易的に会話ができるようにする。
あるいは、自分たちだけが見るDiscordサーバーを作成して、特定個人との会話専用のDiscordチャンネルを作成する。
※管理者権限などをいじっても無駄なので、そこの会話は見ない、見てもいい、などルールは決めておくといい。
・些細なことでも違和感を覚えたらすぐに共有メモに記載する。
なんでも書き残しておく独り言メモのような場所を作っておいてもいい。
※他の人から見れば原因はこうなのでは?等意見を伝えて解決する場合もあるため。
・特定の人にだけ見せたくない場合(例えばトラウマに接触する場合など)は、Discordなら「||」で文章を挟むとクリックしなければ見えないようなコマンドがある。
Googleドキュメントなら、ここから先の「」の中は〇〇さんは見ちゃダメ、と前置きしたうえで、「こういう風に反転させなければ見えないように白文字で記載する」ということも出来る(この「」の中の文字はドラッグしながら文章をなぞるようにマウスを動かして反転させれば読めます)。
※トラウマ配慮も大事なので、パニック回避のため。
・それぞれの特性を把握したうえで、「自分たちは時間が他の人よりも限られている」ことを念頭に置いて、余裕を持ったスケジュールを立てる。
※卓を入れすぎてリスケ祭りになり他人に迷惑をかけまくる、シナリオの執筆が間に合わない、苦手なものごとだが締め切りが近いなど様々な事態に対処できるようにしておくため。
・本当に絶対に見られたくないものは、パソコンならアカウントを分けて(「アカウント設定の変更」等から新しいアカウントの作成が可能)、ロックをかけて知られたくない人には伝えない、という力技も可能。
・文面で表しにくいもの(出会った人の顔など)は、出来るだけ詳細は書くけれども、これ以上文面では表せない、等書いておくと親切。
※オフ会などであれば(出来れば自然な流れで誘導をして)集合写真を撮ってどれが誰、と書いてしまうのもいいかもしれない。
・共有メモとは別に「やること(タスク)リスト」「やれることリスト」「やらなくてもいいけどやってもいいことリスト」などを付箋やLINEなどで他の人が見える場所に書くのもあり。
重要度や期限順に、色分けや順番を変えるなどすると他の人も見やすくてHAPPY。
⑦※蛇足
・それぞれの人格に関すること(最低限他人に共有した方がいいと思われること)
・人格ごとの地雷や性格特性
・卓をする際に注意してほしいこと(同卓者向けの文章、自身が多重人格であるという旨を明記するとなお親切)
※DIDという書き方だと大多数に伝わらないので、ほずみは諦めて多重人格です!と公言しています。
上記を記載したものを用意しておくと、何かあった場合に他者の理解がスムーズになるため、人格分離の可能性はあるものの、あると親切かな?という風に思うのでほずみは作成しています。
書いてない人ももちろんいる(分離してほしくないようなところは、ほぼ記載しないなどすることも必要かも)。
ひとまず「ほずみ」が行っている共有方法は上記のとおりです。
不明点や意見、改善点等があればお教えいただけると幸いです。また、この文章自体を印刷するなどして共有することも、必要であればご自由にどうぞ。
その他のDIDの方のやり方とは違うかもしれないので、あくまで一例としてご覧ください。
【2022年3月22日 キョウ作成】
いかがでしょうか。これはあくまで一例であって、もっといいやり方があるかもしれません。その場合はこっそりでも、Contactなどからお教えいただけると幸いです。
それでは、長くなってしまっても読むのが面倒だと思うので、今回はこの辺りで終わろうと思います。それではまた次回!
キョウ
Komen