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緋縮緬の櫃
国号が改訂され、大日本帝国と名を変えた国。
そこは人も妖怪も闊歩する、諸外国との貿易盛んな国。しかしこの国には入ってはいけないエリアが存在した。
名を、「相模国」という。
相模国は貿易が盛んで、例にもれず諸外国との貿易が盛んな国であるが、誰も…しう、誰一人として、この場所内部へと足を踏み入れた部外者はいないのだった。
相模の国には、誰もが内部へ入ろうと思わない理由がある。それは天皇直属の国防機関である、ということだ。それだけならばよかったのだろうが、この国には罪を犯すものあらば音もなく忍び寄り、罪人の屍を啄む。彼らの意思は、命は、決して絶えることはない。彼らが往行跋扈しているため、入国も制限されている。
他国の人々の畏れ…恐れから、彼らは「朱雀」と呼ばれた。
───これはそんな、「朱雀」のなかの とある青年の話。